中国軍制服組トップ級、汚職で失脚か=事実なら異例の事態―英紙報道 2025年04月11日 15時54分

【北京時事】英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は10日、中国軍制服組トップ級の何衛東・中央軍事委員会副主席が、汚職の疑いで当局の取り調べを受けていると報じた。事実だとすれば、中央軍事委の現役の副主席が失脚する異例の事態となる。
事情に詳しい複数の関係者の話として伝えた。何氏は、すでに役職を解かれているという。現役の中央軍事委副主席の失脚は、文化大革命以降では初めてになるとみられる。中国外務省の林剣副報道局長は11日の記者会見で、同紙の報道内容について「承知していない」と述べ、明言を避けた。
何氏は、先月11日に全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の閉幕式に出席したのが伝えられて以降、公式の動静が途絶えている。今月2日に行われた、中央軍事委メンバーがそろって出席する恒例の植樹活動も欠席。中国国営中央テレビが9日に報じた重要会議の映像にも姿がなく、失脚説が強まっている。
中央軍事委は、習近平国家主席がトップを務めており、何氏は2人いる副主席の一人。現体制は2022年10月に7人で発足したが、23年10月にはメンバーだった李尚福前国防相が汚職で解任された。昨年11月には苗華委員も「重大な規律違反」の疑いで取り調べを受けていることが明らかになった。何氏も摘発されれば、制服組6人のうち半数が不在になる。