野党李在明氏が出馬表明=中道層意識、経済成長強調―韓国大統領選 2025年04月10日 18時53分

【ソウル時事】韓国の革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表は10日、映像メッセージを通じて大統領選(6月3日投開票)への出馬を表明した。最有力と目されるが、選挙のカギを握る中道層では必ずしも優勢と言えない状況。中道層の取り込みを意識し、経済成長など保守寄りの姿勢を打ち出した。
李氏は野党では5月初めまでに行われる予備選勝利が確実視される。10日発表された世論調査「全国指標調査」によると、次期大統領にふさわしい人物として支持率が32%とトップで、与野党の他候補を引き離した。
李氏は社会の分断の深まりについて「根本的な原因は経済にある。富があまりにも一カ所に偏り過ぎている」と主張。政府による先端科学技術分野への大規模投資を主張した。
かつて対日批判の急先鋒(せんぽう)だった李氏だが、米韓同盟と日米韓協力が「非常に重要だ」と表明。「非常戒厳」を宣言した尹錫悦前大統領の罷免に関しては「国民が本当の民主主義の力を見せた」と強調した。一方、「韓国の民主主義の偉大さは憲法制度ではなく、制度を生かす国民の偉大さにある」と述べ、保守系与党「国民の力」が力を入れる改憲論をけん制した。