国連総長、搬入阻止で「殺りくの場に」=イスラエルはガザの物資不足否定 2025年04月09日 14時15分

8日、ニューヨークの国連本部で記者団に語るグテレス事務総長(EPA時事)
8日、ニューヨークの国連本部で記者団に語るグテレス事務総長(EPA時事)

 【カイロ時事】国連のグテレス事務総長は8日、パレスチナ自治区ガザでイスラエルが支援物資の搬入を阻止し、人道状況の悪化が続いている事態を踏まえ、「ガザは殺りくの場と化している。住民は終わりのない死のループに入り込んでいる」と強い危機感を表明した。ニューヨークの国連本部で記者団に語った。
 グテレス氏は、イスラエルがイスラム組織ハマスが援助物資を横取りしないよう監視を強化する措置を提案してきたと説明。ただ、「援助がさらに統制され、小麦粉の粒子一つに至るまで無情に制限される危険性がある」として、この提案を拒否する考えを示した。
 また、イスラエルには国際法上、占領国として食料や医療、公衆衛生を提供する義務があると強調。「この中のどれも実現していない」と批判し、早期の物資搬入再開を要求した。
 イスラエル外務省報道官はグテレス氏の発言を受け、SNSで「ガザで人道支援物資の不足は起きていない。(停戦が発効した1月19日からイスラエルが物資搬入を禁じた3月2日までの)42日間に2万5000台以上のトラックがガザに入った」と主張した。 

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難民キャンプで配布される食料を求める子供たち=3日、パレスチナ自治区ガザ(AFP時事)
難民キャンプで配布される食料を求める子供たち=3日、パレスチナ自治区ガザ(AFP時事)

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