海外勢が米国債売り?=長期金利が急上昇―中国の報復説も 2025年04月09日 08時27分

トランプ米大統領=7日、ワシントン(AFP時事)
トランプ米大統領=7日、ワシントン(AFP時事)

 【ニューヨーク時事】トランプ米大統領の高関税政策への警戒感を背景に下がり続けてきた米長期金利が今週、急上昇している。市場では、海外の投資家が米国債を売却しているのではないかとの見方が浮上。SNSでは、中国によるトランプ関税への報復措置とのうわさも飛び交っている。
 長期金利の指標である10年物米国債利回りは、トランプ氏が大統領に就任した1月下旬に4.5%を超えていた。その後、関税が米国も含め、世界経済を圧迫するとの懸念が高まるにつれ、安全資産とされる米国債が買われて急低下。先週末には一時3.9%を下回った。ただ、今週は流れが一転。7~8日の2日間で計0.3ポイント上昇し、4.3%を付けた。
 償還期間が長い長期国債の方が短期国債よりも売られていることから、日系証券筋は「長期国債を好んで保有する海外勢が手放しているのではないか」と分析。米経済の先行き不透明感が増す中、相対的に欧州や日本の国債の魅力が高まり、米国債から乗り換える動きが出ている可能性があると指摘した。
 一方、7日にはSNSで「中国が米10年債を500億ドル(約7兆3000億円)分売って米国に対抗した」などとする根拠不明の投稿が拡散された。これについては、中国は以前から米国債の保有を減らしてきているとして、「突然売却しているとは考えにくい」(米エコノミスト)と懐疑的な声が出ている。 

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