国連総長、イスラエル提案を拒否=ガザ物資搬入の「承認制度」 2025年04月09日 06時39分

グテレス国連事務総長
グテレス国連事務総長

 【ニューヨーク時事】グテレス国連事務総長は8日、パレスチナ自治区ガザへの物資搬入が禁じられている問題を巡り、イスラエルが新たに「承認制度」を提案してきたと明らかにした。その上で「援助がさらに統制され、カロリーや小麦粉の粒子一つに至るまで無情に制限される危険性がある」と述べ、拒否する考えを示した。
 イスラエルは3月2日以降、イスラム組織ハマスへの圧力の一環で、ガザへの物資搬入を認めていない。同国側の説明によれば、「ハマスによる横領を防ぎ、市民に物資が確実に届くように監視を強化する」制度を提案したという。
 これに対し、グテレス氏は「人道支援の原則である人道性や公平性、独立性、中立性を尊重しない取り決めには一切参加しない」と強調。イスラエルには占領国として食料や医療、公衆衛生を提供する義務があるとして、ガザへの支援を認めるよう訴えた。 

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