ユニセフ「子供数百万人が危険」=環境悪化、心のケア必要―ミャンマー地震 2025年04月08日 22時44分

ミャンマー地震後、がれきの前で遊ぶ子供=2日、中部マンダレー(日本ユニセフ協会提供・時事)
ミャンマー地震後、がれきの前で遊ぶ子供=2日、中部マンダレー(日本ユニセフ協会提供・時事)

 【バンコク時事】ミャンマーの大地震では、多数の子供が犠牲になった。無事だった子供も避難先の環境悪化や心の傷が懸念され、国連児童基金(ユニセフ)は「数百万人が危険な状況にある。膨大なニーズに対して国際的な支援が必要だ」と呼び掛けている。
 ミャンマー国軍は8日、死者は3645人、負傷者は5019人と発表。建物約5000棟と学校約1800棟などで被害が発生した。
 犠牲者の年齢は明らかでないが、ユニセフ東アジア・太平洋地域事務所の広報責任者エリアン・ルッティ氏は「数百人の子供が死亡した可能性が高い」と指摘。英BBC放送によると、震源に近い第2の都市マンダレー近郊の町では幼稚園の建物が崩れ、少なくとも十数人の子供が死亡した。
 マンダレーやザガイン地域では、自宅が倒壊するなどして路上で避難生活を送る家族が多い。日中は気温が40度前後まで上昇する一方、5日には強い雨が降り、気象当局は11日まで各地で暴風雨が発生する可能性が高いと予報した。
 こうした状況でユニセフは「子供の脱水症状が増え、感染症が広まる危険性がある」と警告。親と離れ離れになったり、トラウマを抱えたりした子供の保護や精神的なケアの必要性を訴えた。
 マンダレー在住のシュエリーさん(56)は取材に対し、「4~8歳の孫3人は、余震があるたびに家の外に出て不安そうだった」と語った。
 ルッティ氏は「今回の地震は紛争が続くミャンマーで起きたため、さらなる人道危機が重なったと言える。支援のために必要な資金も十分でない」と訴えた。 

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