尹氏、影響力維持狙う?=与党に困惑の声も―韓国 2025年04月07日 18時14分

韓国の尹錫悦前大統領(左)と金建希夫人=2024年9月、ソウル(EPA時事)
韓国の尹錫悦前大統領(左)と金建希夫人=2024年9月、ソウル(EPA時事)

 【ソウル時事】韓国の尹錫悦前大統領は、憲法裁判所の罷免宣告から3日たった7日も公邸から退去せずにこもっている。一方、6日には弁護団を通じて「青年の皆さんが勇気を忘れなければこの国の未来は明るい」とのメッセージを発表。支持離れを防ぎ、影響力を維持しようとしている可能性もある。
 4日に罷免された尹氏は金建希夫人や愛犬と共にソウル市内の私邸に引っ越す必要があるが、いつになるか明らかになっていない。2017年に朴槿恵大統領(当時)が罷免された際には2日後に公邸から退去していた。
 尹氏は4日以降、公邸で保守系与党「国民の力」の幹部や議員らと相次いで面会。6日には罷免直後に続き2回目のメッセージを出した。各地で開かれた弾劾反対集会に言及し「熱い愛国心に涙が出た。皆さんの支持と声援に感謝する」と表明。「きょうの現実がつらくても決して挫折せず、自信と勇気を持ってほしい」と訴え、「私は大統領職から降りたが、いつも皆さんのそばを守る」と強調した。
 革新系最大野党「共に民主党」幹部は「一般人になったのに公邸に居座り、院政を続けている」と非難。弾劾賛成が多数だった中道層への支持拡大が迫られる与党からも「尹氏と絶縁しなければ大統領選に必ず負ける」(ベテラン議員)と困惑の声が出ている。
 一方、尹氏は、在職中に内乱罪と外患罪を除いて訴追されない大統領の「不訴追特権」を失った。警察や検察などは尹氏による職権乱用容疑や選挙介入疑惑などの捜査を本格化させるとみられている。 

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