豪野党、テレワーク廃止公約を撤回=政府効率化、批判や誤解受け 2025年04月07日 10時40分

オーストラリアの野党・保守連合を率いるダットン自由党党首=3月31日、東部ニューサウスウェールズ州(EPA時事)
オーストラリアの野党・保守連合を率いるダットン自由党党首=3月31日、東部ニューサウスウェールズ州(EPA時事)

 【シドニー時事】オーストラリアの野党・保守連合は7日、総選挙(5月3日投票)で掲げていた政府効率化に向けた「国家公務員のテレワーク廃止」の公約を撤回した。職員組合や与党・労働党などから激しい批判を浴びたほか、全業種でテレワークが廃止されるとの誤解が広がったことを受け、方針転換した。与党と支持率が伯仲する保守連合にとって痛手となる。
 保守連合を率いるダットン自由党党首は7日、民放チャンネル9の番組で、公約取り下げについて「われわれは政策で過ちを犯した。おわびする。人々の声に耳を傾けていく」と述べた。
 保守連合は「非効率を生んでいる」と公務員のテレワークを批判し、政権を奪還した場合に全職員約37万人を対象に廃止する方針を表明していた。育児や介護などの家庭の事情からテレワークを利用している職員らは猛反発。また、保守連合の候補者には「民間でもテレワークを廃止するのか」との問い合わせが有権者から相次いでいたという。
 労働党はテレワークの継続を容認する立場で、少なくとも2027年まで制限しないことで職員組合と合意している。 

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