韓国憲法裁、尹大統領を罷免=6月3日選挙有力―判事全員「重大な違憲」判断 2025年04月04日 11時31分

4日、ソウルで、尹錫悦大統領への宣告を読み上げる韓国憲法裁判所裁判官(EPA時事)
4日、ソウルで、尹錫悦大統領への宣告を読み上げる韓国憲法裁判所裁判官(EPA時事)

 【ソウル時事】韓国憲法裁判所は4日、「非常戒厳」宣言を巡り弾劾訴追されていた尹錫悦大統領(64)を罷免すると宣告した。判事8人全員一致の決定。尹氏は任期を約2年残して即時失職した。韓国大統領が罷免されるのは朴槿恵元大統領に次ぎ2例目。60日以内に大統領選が行われる。
 尹氏は2022年5月に大統領に就任し、元徴用工問題の解決策発表などで日韓関係の改善に取り組んできた。次期大統領次第で良好な日韓関係に影響が出る可能性がある。大統領選は6月3日の実施が有力視され、現時点では革新系最大野党「共に民主党」の李在明代表が優勢とみられている。
 憲法裁は宣言の要件である「戦時・事変またはこれに準ずる国家非常事態」は存在していなかったと指摘し、閣議での審議や国会への迅速な通告といった憲法で定められた手続きにも反したと判断。非常戒厳は「国民の信任を裏切り、憲法守護の観点から容認できない重大な違法行為だ」と断じた。
 戒厳下での軍や警察の国会への投入について、憲法裁は「国会の権限行使を妨害し、国民主権と民主主義に反した」と批判。政治活動を禁止した布告令の発出も「憲法、権力分立の原則などに違反した」と強調した。また、「対話と妥協」を欠いた野党の姿勢も批判しつつ、「尹氏は協治(協調の政治)の相手として尊重すべき国会を排除の対象とした」と指摘した。
 尹氏は、弁護団を通じて「皆さまの期待に沿えず残念で申し訳ない」とコメントを発表。保守系与党「国民の力」トップの権寧世非常対策委員長は「決定を重く受け入れる」と表明し、国民に謝罪した。
 共に民主党の李在明代表は「国民と共に『大統合』の精神で国民生活、平和、経済、民主主義を回復させる」と歓迎。大統領代行の韓悳洙首相は次期政権の円滑な発足に向け、「大統領選の管理に最善を尽くす」と述べた。 

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韓国の尹錫悦大統領=2月13日、ソウル(AFP時事)
韓国の尹錫悦大統領=2月13日、ソウル(AFP時事)

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