イスラエル、ガザ地上侵攻拡大=反撃受け「前例なき激化」 2025年03月21日 06時10分

20日、パレスチナ自治区ガザを走るイスラエル軍の戦車(ロイター時事)
20日、パレスチナ自治区ガザを走るイスラエル軍の戦車(ロイター時事)

 【エルサレム時事】イスラエル軍は20日、パレスチナ自治区ガザへの地上侵攻の範囲を北部や南部の新たな地域に広げた。イスラム組織ハマスが同日、報復としてイスラエルに複数のロケット弾を発射したことを受け、攻撃を強化したもようだ。中東の衛星テレビ局アルジャジーラは「前例のないエスカレーション」と伝えた。
 イスラエル軍は19日、中部と南部で「標的を絞った地上作戦」を開始した。20日の声明では、最南部ラファで新たに地上侵攻を始めたほか、中部や北部でも作戦を進めていると述べた。北部では、過去数カ月間にハマスが病院を司令施設として利用していたと主張。「施設を破壊する」と警告した。
 アルジャジーラがガザ当局の情報として伝えたところによると、大規模作戦が始まった18日以降のガザでの死者は約600人となった。7割超は女性と子供で、がれきに埋まったままの人も多数いるとみられる。
 1月に発効した停戦合意は20日のハマスによる反撃で崩壊した形。欧州連合(EU)首脳会議は同日、「ガザでの停戦崩壊を遺憾に思う」と表明した上で、停戦と人質解放の即時実施を促した。 

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