トランプ氏、司法攻撃加速=米最高裁長官が異例の警告 2025年03月19日 14時04分

【ワシントン時事】トランプ米政権が進める連邦機関縮小などの看板施策が、裁判所に阻止される事例が相次いでいる。いら立ちを強めるトランプ大統領は、判事の弾劾を求め攻撃をエスカレート。連邦最高裁長官が異例の警告を発するに至り、行政対司法の対立が先鋭化している。
東部メリーランド州の連邦地裁は18日、実業家イーロン・マスク氏と「政府効率化省(DOGE)」による国際開発局(USAID)の閉鎖は「違憲の疑いが強い」として、暫定差し止めを命じた。ワシントンの連邦地裁も同日、出生時の性別と性自認が異なるトランスジェンダーの米軍入隊を禁じたトランプ氏の大統領令を「性差別に当たり違憲の可能性が高い」と断じた。
これに対しトランプ氏はFOXテレビのインタビューで「ごろつき判事どもが米国を破壊している」と訴えた。同氏やマスク氏らの支持者は、政権の意に沿わない判事の弾劾を要求。判事が暴力的な脅迫を受ける被害も伝えられている。
こうした中、ロバーツ最高裁長官は18日の声明で「弾劾は司法判断を巡る意見の相違への適切な反応ではない」と暗にトランプ氏をけん制した。政権の施策を巡る一連の訴訟は最高裁まで持ち込まれることが予想され、緊張は続きそうだ。