EU首脳らがウクライナ訪問=支援継続を確認―侵攻3年 2025年02月24日 22時27分

24日、キーウの駅に到着した欧州連合(EU)のコスタ大統領(前列左)とフォンデアライエン欧州委員長(同右)(AFP時事)
24日、キーウの駅に到着した欧州連合(EU)のコスタ大統領(前列左)とフォンデアライエン欧州委員長(同右)(AFP時事)

 【キーウ時事】ロシアによるウクライナ侵攻は24日、開始から3年を迎えた。停戦交渉に前のめりなトランプ米大統領はロシアへの接近姿勢を隠そうともせず、ウクライナを支えてきた欧州を中心に懸念が広がる。支援継続を確認するため、欧州連合(EU)のコスタ大統領とフォンデアライエン欧州委員長、カナダのトルドー首相ら首脳級10人以上が24日にキーウ(キエフ)を訪問し、ゼレンスキー大統領と会合を開いた。
 オンラインで出席した石破茂首相は停戦について「ウクライナが関与する形で実現することが重要だ」と述べた。ほかに多くの欧州首脳やトルコのエルドアン大統領もオンラインで参加した。
 ゼレンスキー氏は24日、「3年間の抵抗、3年間の感謝、3年に及ぶウクライナ人の疑問の余地のない英雄的行為。ウクライナを誇りに思う」とX(旧ツイッター)に投稿。「ウクライナを守り、支援するすべての人に感謝する」と表明した。
 首脳らとの会合でゼレンスキー氏は「今年は真の永続的な平和が始まる年でなければならない。強さと英知、団結によって平和を勝ち取らなければならない」と強調。フォンデアライエン氏は「ウクライナの戦争は欧州の未来にとって重大な危機であり続けている」と述べ、35億ユーロ(約5500億円)の追加支援を発表した。
 侵攻は4年目に入ったが、停戦交渉は難航が予想され、先行きは見通せない。ゼレンスキー氏は23日の記者会見で「もし米国がウクライナ抜きでロシアと合意するなら、成功しないだろう」と頭越しの交渉をけん制。「(トランプ政権は)停戦を戦争終結だと考え、それを大成功だと信じている」と指摘し、ウクライナの「安全の保証」が確約されなければ、停戦してもロシアはいずれ再侵攻すると訴えた。
 ロシア軍はウクライナ各地への攻撃を続け、22日夜から23日未明にかけ、過去最大規模の数のドローンが襲来。22日はミサイル攻撃もあり、1人が死亡した。23日夜から24日未明にかけても185機のドローンが飛来した。 

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ウクライナ支援に関する首脳会合にオンラインで出席した石破茂首相=24日午後、首相公邸(内閣広報室提供)
ウクライナ支援に関する首脳会合にオンラインで出席した石破茂首相=24日午後、首相公邸(内閣広報室提供)

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