米軍指導部を大幅刷新=トランプ氏、制服組トップ解任 2025年02月22日 09時54分

米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長=2024年5月、ワシントン(AFP時事)
米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長=2024年5月、ワシントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】トランプ米大統領は21日、SNSへの投稿で、米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長を解任すると発表した。さらに5人の軍高官も交代させる予定で、米軍指導部を大幅刷新する。トランプ政権は国防総省・米軍の予算や人員を削減する方針も示しており、軍内部の混乱は必至の情勢だ。
 トランプ氏は解任の理由を明らかにしなかったが、ヘグセス国防長官は黒人のブラウン氏が米軍内の「多様性、公平性、包括性(DEI)」の推進に関与してきたとして、更迭すべきだと主張していた。後任には、退役後に中央情報局(CIA)の軍事担当幹部を務めていたダン・ケイン空軍中将を充てる。
 ブラウン氏は2023年に黒人として史上2人目の議長に就任し、4年間の任期の途中だった。トランプ氏は「素晴らしい紳士で、優れた指導者だ。40年以上わが国に尽くしてきたことに感謝する」と述べた。
 トランプ氏は他の5人の軍高官更迭も「まもなく発表される予定だ」と表明した。国防総省は声明で、女性として初めて海軍制服組トップとなったフランケティ海軍作戦部長を更迭すると明言した。
 トランプ氏は就任直後から、バイデン前政権が進めてきた人種や性の多様性に配慮するDEIの撤廃に着手。米軍が多様性を重視するあまり、戦闘任務を見失っていると批判していた。ケイン氏は過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討作戦で手腕を発揮したとし、「力による平和、米国第一主義、そして軍の再建を成し遂げるだろう」と指摘した。 

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