対トランプ代替案協議=アラブ首脳、ガザ移住反対で 2025年02月21日 14時29分

【イスタンブール時事】トランプ米大統領が主張した米国によるパレスチナ自治区ガザの所有や住民移住に反対するアラブ諸国が、代替案の策定を急いでいる。アラブ各国首脳は21日、サウジアラビアの首都リヤドで会議を開催。トランプ氏の構想でガザ住民の移住先候補の一つに名指しされたエジプトが主導する対案策定を巡り、詰めの議論を行う見通しだ。
サウジ国営通信によれば、サウジの事実上の最高権力者ムハンマド皇太子、エジプト、ヨルダンのほか、カタールなど湾岸協力会議(GCC)加盟国の首脳らが出席。今回の協議を経て、3月4日に予定されるアラブ連盟の首脳会議で意見集約を図るとみられる。
代替案の内容は不明だが、米紙ニューヨーク・タイムズは、ハマスと関係がないパレスチナ人実務者らで構成する委員会を設け、ガザ戦後統治を模索する案が浮上していると報道。AFP通信は、ガザ域内の一部に住民を一時移住させた上で復興に着手し、最終的にパレスチナ国家樹立によるイスラエルとの「2国家解決」実現を目指す案が検討されていると伝えた。
世界銀行の試算では、荒廃したガザの再建には532億ドル(約8兆円)が必要だが、巨額の復興資金の負担を巡ってはアラブ諸国の間でも温度差があるもようだ。イスラエルが要求するガザの完全な非武装化など難題も多く、トランプ氏の構想への反対で一致しつつも、実現可能な対案を示して翻意させられるかどうかは未知数だ。