「米国がガザ長期所有」=経済発展図るとトランプ氏―イスラエル首相と会談 2025年02月05日 09時36分
【ワシントン時事】トランプ米大統領は4日、イスラエルのネタニヤフ首相とホワイトハウスで会談した。トランプ氏は会談後に共同記者会見し、パレスチナ自治区ガザを米国が長期的に所有する意向を表明。イスラム組織ハマスとの戦闘で荒廃したガザを掌握し、経済発展を通じて安定をもたらす考えを示した。
トランプ氏が外国首脳と対面で会談するのは第2次政権で初めて。トランプ氏はガザの戦後統治を巡る自身の考えを披露したとみられるが、実現可能性は不透明だ。
トランプ氏は会見で「米国がガザ地区を掌握する。所有した上で、危険な不発弾の解体や破壊された建物の撤去、無制限の雇用を生み出す経済発展に責任を負う」と説明。先月19日に発効したイスラエルとハマスの停戦に関し「流血と殺し合いに終止符を打ち、より永続的な平和の始まりとなることを期待する」と強調した。
ガザの「長期的な所有」について検討していると述べたほか、必要に応じて米軍を派遣する可能性も否定しなかった。ネタニヤフ氏は「異なる考えで注目に値する。歴史を変える可能性がある」と応じた。
これに先立ち、トランプ氏は会談冒頭、ガザ住民を近隣諸国に移住させる考えを再び提案した。ガザ域外に住民が「恒久的に再定住」すべきだと主張し、受け入れ国の候補としてヨルダンやエジプトを挙げた。
トランプ氏の提案を巡っては、ガザ住民の強制移住につながるほか、「民族浄化にほかならない」(アラブ連盟)と非難する声が上がっている。ガザの戦後統治に関するトランプ氏の唐突な「新提案」の発表は、各国に波紋を広げそうだ。