極右オンラインネットに制裁=反ユダヤ犯罪を警戒―豪 2025年02月03日 20時31分

 【シドニー時事】オーストラリア政府は3日、極右の国際オンラインネットワーク「テログラム」に対し資産凍結などの金融制裁を発動した。テログラムとの取引も禁止し、違反した場合の最高刑は禁錮10年。豪国内では、イスラエルとパレスチナ自治区ガザの紛争に関連して反ユダヤの憎悪犯罪が断続的に起きており、今回の制裁は警戒強化の一環だ。
 豪メディアによると、テログラムは英国を拠点とし、白人至上主義などを唱えている。欧米やトルコでの襲撃事件との関連が指摘され、米英両政府はテロ組織に指定している。
 ガザでの紛争が続いていた昨年12月、豪南東部メルボルンでシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)が放火されたほか、最大都市シドニー周辺でも車両放火、住宅・商店への反ユダヤの落書きが相次いでいる。ウォン外相は声明で「制裁は暴力的過激派の活動を阻止し、扇動を防ぐための取り組みだ。豪州に憎悪の余地はない」と強調した。
 豪政府は同時に、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ナイム・カセム師への制裁も決めた。 

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