対韓外交後回しも=トップ不在で関係構築に遅れ―トランプ次期米政権 2025年01月15日 15時44分

 【ワシントン時事】韓国の尹錫悦大統領の拘束に伴い、外交を含む韓国政治が本格的な機能不全に陥る中、米韓関係は当面、停滞を強いられそうだ。20日には「米国第一」を掲げるトランプ米政権が発足。欧州や中東の危機対応を優先する構えで、米韓関係の仕切り直しは後回しにされそうだ。
 「米韓関係はいかなる指導者、政府、政党よりも大きなものだ」。ブリンケン米国務長官は6日、訪問先のソウルで行った記者会見でこう語り、関係を強化し続ける必要性を強調した。米韓同盟を「血で結ばれた」とも表現し、絆の深さをアピールした。
 尹氏が2024年12月に「非常戒厳」を宣言し、急速に求心力を低下させたことは、日米韓3カ国の連携強化を「外交上の実績」に挙げるバイデン政権にとって大きな痛手となった。急きょブリンケン氏を韓国に派遣し、米韓協力は不変だと誇示したものの、関係深化の道は見通せていない。
 ウォルツ次期米大統領補佐官(国家安全保障担当)は14日、シンクタンクの会合で、日米韓の枠組みの制度化を目指したバイデン政権の取り組みを評価した上で、次期政権でもこうした努力は「継続される」と強調した。だが、日本など各国がトランプ政権との関係構築を急ぐ中、トップ不在の韓国は出遅れを余儀なくされ、米韓関係が漂流する恐れもある。 

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