機動隊車両135台で「壁」=大統領支持者集結し緊迫―韓国 2025年01月03日 12時03分
【ソウル時事】韓国の尹錫悦大統領を内乱容疑で捜査している合同捜査本部が尹氏の身柄確保を試みた3日朝、大統領公邸前には警察機動隊の車両135台が集結し、長い「壁」をつくった。一帯はバリケードで封鎖され、市民や報道陣は遠ざけられた。気温は氷点下。数百人の尹氏の支持者は寒さに震えながら「弾劾は無効だ」と声を張り上げ、ソウル中心部は緊迫した空気に包まれた。
「何としても(尹氏を)守らないといけない」。南部大邱から駆け付けた会社員の趙宰佑さん(60)は「これは自由民主主義と共産主義の戦いだ」と悲壮感を漂わせた。
拘束令状の執行を図った警察は、デモ隊との衝突に備え、警官約2700人を配置した。夜明け前から集まった尹氏支持者は車両の壁とバリケードに阻まれて公邸入り口に近づけず、300~400メートル離れた場所から拘束反対を叫んだ。
捜査機関と大統領警護庁などとのにらみ合いは5時間以上続いたが、その間も支持者が続々と集結。太極旗(韓国国旗)と星条旗(米国国旗)を振りながら「大統領を守ろう」などと訴えた。
ソウル近郊の富川市から訪れた男性(84)は「大統領を弾劾することは妥当ではない」と主張。その上で「このままでは共産化する可能性が高い。あってはならないことで、じっとしていられずに出てきた」と話した。