北朝鮮の軍事力向上警戒=ロシアからの「見返り」焦点―米 2024年06月19日 15時13分

バイデン米大統領=18日、ワシントン(EPA時事)
バイデン米大統領=18日、ワシントン(EPA時事)

 【ワシントン時事】バイデン米政権は、北朝鮮がロシアとの軍事協力の深化を通じて核・ミサイル関連の技術力を向上させ、米本土を脅かす能力を高めることを警戒している。打つ手は限られているものの、日本や韓国との連携強化によって北朝鮮の脅威に対抗していく構えだ。
 「必死の思いで関係を強化しようとしている」。ブリンケン米国務長官は18日、国務省で記者会見し、ロシアのプーチン大統領の訪朝はウクライナ侵攻継続に必要な支援獲得が狙いだとして、深い懸念を示した。
 米国が警戒するのは、ミサイル供与など北朝鮮による対ロ軍事支援に加えて、それに対するロシアの見返りだ。キャンベル米国務副長官は12日、見返りの内容に関し「現金かエネルギーか、核・ミサイルの性能を高める能力か、把握していないが懸念している」と語った。
 ロシアは今年、国連で制裁履行状況を調べる専門家パネルの任期延長案の採決で拒否権を行使し、パネル廃止に追い込んだ。米国務省当局者は、北朝鮮との武器取引を制限する国連安保理決議は「依然として効力を有している」と強調し、ロシアをけん制する。
 米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ上級副所長は、ロシアからの見返りによっては「(朝鮮)半島やアジアの安全保障の不安定化だけでなく、米本土への直接的な脅威を高める」と警告している。 

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