潜水艇事故から1年、調査難航=タイタニック号見学で5人死亡 2024年06月19日 08時18分
【ニューヨーク時事】大西洋に沈む豪華客船タイタニック号の見学ツアー中に有人潜水艇「タイタン」が消息を絶った事故から18日で1年を迎えた。米沿岸警備隊が再発防止のため原因究明を進めているが、調査は難航している。
沿岸警備隊は14日に発表した声明で、完了まで12カ月と見込んでいた調査期間が「想定よりも長引く」と明らかにした。深海からの証拠回収や法医学検査に時間がかかっているという。報告書は国際海事機関(IMO)に提出される予定。
タイタンは2023年6月18日の潜航中に遭難。大規模な捜索が行われたが、4日後に水深3800メートルの海底で破片となって発見された。ツアー運営会社の最高経営責任者(CEO)ら乗っていた5人全員は、水圧によって内側に押しつぶされ死亡したとみられている。
タイタンを巡っては、潜水艇の製造では通常使われない炭素繊維の使用や、第三者機関による安全性認定の欠如などが事故の背景にあったと指摘されている。沿岸警備隊は「この悲劇を招いた要因を完全に理解し、今後このような事故が起きないよう尽力する」と強調した。