「パンダ外交」で友好演出=中国、豪貸与を更新へ 2024年06月15日 18時11分

オーストラリア南部アデレードの動物園で水浴びをするパンダの「ワンワン」=2019年2月(EPA時事)
オーストラリア南部アデレードの動物園で水浴びをするパンダの「ワンワン」=2019年2月(EPA時事)

 【シドニー時事】中国の李強首相は15日、オーストラリア南部アデレードに到着し、4日間の訪問を開始した。李氏は16日にアデレード動物園を訪れ、ジャイアントパンダの貸与更新を表明する。豪世論調査で7割が中国を「軍事的脅威」と捉える中、李氏は「パンダ外交」で友好の演出に努める。
 同園は2009年から、オスの「ワンワン」とメスの「フーニー」を中国から借りて飼育。今年後半に返還予定のため、李氏の訪問に合わせ、新しいパンダとの入れ替えが発表される見込みだ。
 李氏は17日に首都キャンベラでアルバニージー首相と会談し、貿易関係強化や安全保障の懸案などについて協議する。李氏は到着後の声明で「違いを棚上げして共通の土台を見いだし、互恵協力を追求することが必要だ」と主張した。
 豪シンクタンク、ローウィー国際政策研究所の世論調査によると、豪中関係について53%が「悪い」と答え、中国を軍事的脅威とみる人は71%に上る。中国が台湾海峡や南シナ海で軍事的行動を活発化させ、豪産品の輸入制限を一部続けていることなどが響いているもようだ。 

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