独自案で影響力誇示=平和サミット欠席の中国 2024年06月15日 16時03分

中国の王毅共産党政治局員兼外相=5月30日、北京(AFP時事)
中国の王毅共産党政治局員兼外相=5月30日、北京(AFP時事)

 【北京時事】ウクライナ和平を協議するスイスでの「平和サミット」への参加を見送った中国は、問題解決に向けた独自案をブラジルと共に提唱し、各国に賛同を呼び掛けている。中国外務省は独自案に100カ国以上が「前向きな反応」を示していると主張。100の国・機関が参加する平和サミットに劣らない影響力を持っていると強調した。
 独自案は5月23日、訪中したブラジルのアモリン元外相と王毅共産党政治局員兼外相の会談後に発表された。「ロシアとウクライナ双方が認め、全ての和平案が公平に議論される国際平和会議」の実現など6項目から成る。ロシア不在のままウクライナ主導の和平案を協議する平和サミットへの批判をにじませた形だ。
 中国外務省の林剣副報道局長は14日の記者会見で、独自案について「国際社会の普遍的な期待を反映している。現在の世界の最大公約数だ」と述べた。独自案に賛同しているのは、主に中国と結び付きが強い新興・途上国とみられる。
 中国政府は昨年2月にも「ウクライナ危機に関する中国の立場」と銘打った12項目の提案を発表した。当事者間の「対話」を促す内容で抽象論にとどまるが、ロシアをはじめとする旧ソ連圏や新興国から支持を得ていた。 

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