ICC裁判官は「屈しない」=ロシアの指名手配念頭―赤根所長 2024年06月14日 16時28分
国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)の赤根智子所長は14日、自身がロシアに指名手配されたことを念頭に「指名手配の報道にも接しているが、ICCの裁判官一同、これらに屈してはならないという気持ちで毎日の裁判業務に向かっている」と語り、圧力に負けず裁判を進めることの重要性を訴えた。東京都内の日本記者クラブで会見した。
ICCは昨年、ウクライナ侵攻を続けるロシアのプーチン大統領について、ウクライナの占領地からの子供連れ去りに関与した戦争犯罪の容疑で逮捕状を出した。反発したロシアは赤根氏を指名手配したほか、ICCのカーン主任検察官らを本人不在のまま起訴している。
赤根氏は「ICCは独立した中立公正な裁判所で、その司法判断は尊重すべきという空気を出すことが、政治的圧力への抑制になる」と強調。「(ICC設立条約の)締約国となった国々には、ICCを守る責任がある。ICCがつぶれたら、世界で恒久的な刑事裁判所は二度と生まれない」とも語り、ICCの役割の大きさと、それに対する市民の理解の必要性に言及した。