早期停戦論をけん制=ゼレンスキー氏、独議会で演説 2024年06月12日 05時22分

11日、ベルリンのドイツ連邦議会で演説するウクライナのゼレンスキー大統領(EPA時事)
11日、ベルリンのドイツ連邦議会で演説するウクライナのゼレンスキー大統領(EPA時事)

 【ベルリン時事】ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、ドイツ連邦議会で演説し、早期停戦論がくすぶるドイツ世論に対し、侵攻を続けるロシアに妥協しないよう訴えた。武器供与の停止や和平交渉入りを求める極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」などの一部議員は欠席した。
 ゼレンスキー氏は「ロシアは戦争を仕掛けた責任を完全に負わなければならない」と徹底抗戦の構えを強調。一方で、15日からスイスで開かれるウクライナ主導の「平和サミット」に触れつつ、「外交に機会を与えたい。武器だけに頼ったことはない」とも語り、サミットへの支持を求めた。
 和平交渉入りは「ウクライナが判断すること」(ショルツ独首相)というのが独政府の公式見解。ただ、議会では3月、ショルツ氏率いる社民党幹部が「戦争の終わらせ方を考える時が来ているのでは」と発言し、物議を醸していた。
 AfDのクルパラ共同党首はX(旧ツイッター)で「ウクライナに必要なのは、戦争大統領ではなく(和平)交渉する意欲がある平和大統領だ」とゼレンスキー氏を批判した。演説ボイコットを呼び掛けたAfDと左派ポピュリスト新党は、今月の欧州議会選で議席数を伸ばしている。 

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