対ロ制裁に「懸念」=BRICS外相会議で共同声明 2024年06月11日 17時30分

10日、ロシア中部ニジニーノブゴロドで、握手する中国の王毅共産党政治局員兼外相(左)とロシアのラブロフ外相(EPA時事)
10日、ロシア中部ニジニーノブゴロドで、握手する中国の王毅共産党政治局員兼外相(左)とロシアのラブロフ外相(EPA時事)

 ロシア中部ニジニーノブゴロドで開かれた新興国グループ「BRICS」外相会議は10日、共同声明をまとめた。ウクライナ侵攻を続ける議長国ロシアが発表した共同声明によると、加盟国外相は西側諸国による対ロ制裁を念頭に「一方的な強制措置への懸念」を表明した。
 イタリアで13~15日に開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、西側諸国けん制を狙うロシアのプーチン政権が一定の支持を取り付けた格好だ。
 BRICS加盟国はウクライナ問題で、いずれも中立を保つかロシアに融和的な立場。大半は、ウクライナのゼレンスキー大統領の提唱でロシア抜きで15、16両日にスイスで予定される「平和サミット」への不参加を決めている。加盟国ブラジルのルラ大統領は10日にプーチン大統領と電話会談を行い、ロシアを含めた交渉が必要という考えを伝達した。
 加盟国外相は会議で「各国の(従来の)立場を繰り返し表明した」(共同声明)といい、一部の参加者からロシアへの苦言や自制を求める声が上がった可能性もある。
 ロシアのラブロフ外相は10日、中国の王毅共産党政治局員兼外相と個別に会談。平和サミットに参加しないよう新興・途上国「グローバルサウス」に働き掛けているとされる中国側に対し、バランスが取れているとして「謝意」を伝えた。
 共同声明は、10月22~24日にプーチン氏が中部カザンで議長を務めるBRICS首脳会議に向けた協力を確認。ブラジルが来年の議長国を務めることも申し合わせた。 

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