韓国、拡声器放送再開=北朝鮮の風船に対抗措置 2024年06月09日 13時17分

北朝鮮との軍事境界線付近で宣伝放送に使われた韓国軍の拡声器=2004年6月(AFP時事)
北朝鮮との軍事境界線付近で宣伝放送に使われた韓国軍の拡声器=2004年6月(AFP時事)

 【ソウル時事】韓国軍は9日、「汚物風船」などで挑発を強める北朝鮮への対抗措置として、南北軍事境界線付近での拡声器による宣伝放送を再開した。2018年4月の南北首脳会談前に放送を中断して以来、約6年ぶり。
 韓国軍によると、北朝鮮は宣伝放送再開後の9日夜も、汚物風船とみられる物体を韓国に向けて飛ばした。韓国の豊かな生活ぶりを伝える拡声器放送に北朝鮮は強い拒否反応を示してきた経緯があり、南北の応酬がエスカレートする恐れもある。
 北朝鮮の金与正朝鮮労働党副部長は9日夜に談話を出し、拡声器放送再開を「危険な状況の前奏曲だ」と指摘。「われわれの新しい対応を目撃することになる」と警告し、ビラの散布と拡声器放送の中止を求めた。
 北朝鮮が8日夜から9日朝までの間に、ごみがぶら下げられた風船を韓国に飛ばしたことを受け、韓国政府は9日、国家安全保障会議(NSC)の常任委員会議を開き、拡声器放送の再開を決定。同会議は「今後、南北間の緊張の高まりの責任は全面的に北朝鮮側にあることを明確にする」と強調した。 

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ソウル市内で8~9日に発見された北朝鮮の風船で運ばれたとみられる紙くず(韓国軍提供・時事)
ソウル市内で8~9日に発見された北朝鮮の風船で運ばれたとみられる紙くず(韓国軍提供・時事)
ソウル市内で8~9日に発見された北朝鮮の「汚物風船」(韓国軍提供・時事)
ソウル市内で8~9日に発見された北朝鮮の「汚物風船」(韓国軍提供・時事)

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