台湾で天安門追悼集会=頼総統「権威主義に対抗」 2024年06月04日 21時29分
【台北時事】中国で民主化運動が弾圧された天安門事件から35年を迎えた4日、台北市で20以上の民間団体が追悼集会を開催した。会場には当時の写真を展示した献花台が設けられ、訪れた人々が白い花を手向けて犠牲者に哀悼の意を表していた。主催団体によると、参加者は2000人を超えた。
追悼集会には、事件当時、民主化運動の学生リーダーだった周鋒鎖氏のほか、鎮圧部隊の装甲車にひかれ両足を失った方政氏らがビデオメッセージを寄せた。方氏は「必ず民主主義が勝利し独裁は敗北する」と語った。
集会には、多くの香港出身者も参加。香港では2019年に反政府デモが弾圧された後、言論統制が強化され追悼集会ができなくなっており、台湾は重要な活動拠点となっている。
海外在住の香港出身者でつくるNGOの創始者で、滞在先のチェコから台湾を訪れた劉慧※(※女ヘンに亭)さん(38)は「台湾で追悼集会ができることに感謝している」と話した。劉さんによると、集会に参加するため香港から台湾に来た人は「当局に知られることを恐れ、目立たないようにしている」という。
天安門事件当時、台湾は国民党の一党独裁体制から脱却し、民主化が進められていた。頼清徳総統は4日、フェイスブックに「台湾は先人たちの犠牲の下で権威主義体制から民主化に向かった。若者たちは民主主義のともしびを受け継ぎ、深化させ続けている」と投稿。「勇気を持って権威主義の拡大に立ち向かわないといけない」と訴えた。