米大統領、ガザ停戦「ハマスが障害」＝イスラエルも強硬姿勢 2024年06月04日 14時29分
【カイロ時事】バイデン米大統領は３日、パレスチナ自治区ガザでの危機打開に向け自身が５月３１日に公表した停戦案を巡り、仲介国カタールのタミム首長と電話会談を行った。バイデン氏は首長に対し、イスラム組織ハマスが同案を受け入れるよう「あらゆる適切な手段を取る」ことを要請。その上で、ハマスが停戦に向けた「唯一の障害になっている」と述べ、交渉妥結を妨げているのはハマス側だとの認識を示した。
ホワイトハウスが発表した。ハマスは当初、新停戦案に前向きな姿勢を示していたが、バイデン氏の発言に反発する可能性もある。
バイデン氏は、停戦案が「ガザの危機を打開する具体的な行程表を提供している」と指摘。「交渉妥結に向けた最良の機会だ。ハマスの人質解放拒否は紛争を長引かせるだけだ」と訴えた。
一方、イスラエルも強硬姿勢を貫いている。バイデン氏は「イスラエルは前に進む準備ができている」とも述べたが、同国のネタニヤフ首相は３日、「戦争をやめるつもりはない」と明言し、ハマス壊滅を目指す考えを改めて強調した。
イスラエル高官は米ネットメディア「アクシオス」に、ネタニヤフ氏の発言によってハマスが態度を硬化させ「合意を一層困難にする」と懸念を表明した。イスラエルがかたくなな姿勢を続ければ、交渉の先行き不透明感が強まりそうだ。
ＡＦＰ通信によると、仲介国カタールとエジプトのほか、サウジアラビアなど中東諸国の外相は３日、共同声明を発表。ガザでの「恒久的停戦」につながり得る米大統領が示した案に「真剣に向き合うことが重要だ」と強調し、イスラエルとハマスの双方に歩み寄りを求めた。
レバノンのメディアは４日、エジプト当局者の話として、イスラエルの代表団が４日にカイロに到着し、停戦案に対する立場を説明すると報じた。しかし、ハマスに関しては代表団の派遣を見送ったという報道が出ている。