「全ての軍事活動再開」=韓国、南北合意停止を正式決定 2024年06月04日 12時54分

南北軍事境界線沿いの非武装地帯(DMZ)にある北朝鮮の監視所(奥)=2023年7月(AFP時事)
南北軍事境界線沿いの非武装地帯(DMZ)にある北朝鮮の監視所(奥)=2023年7月(AFP時事)

 【ソウル時事】韓国政府は4日の閣議で、北朝鮮と2018年に結んだ南北軍事合意の効力を全面的に停止すると正式に決定した。ごみをぶら下げた風船を大量に飛ばすなどの北朝鮮による相次ぐ挑発行為への対抗措置。国防省は「軍事境界線付近や海上で全ての軍事活動を再開する」と表明した。
 閣議後に尹錫悦大統領が決定を承認した。韓国軍は、合意が禁じていた南北軍事境界線付近での射撃訓練などを行う方針。北朝鮮の出方次第で、韓国の豊かな生活ぶりを拡声器で放送する宣伝活動も行う。北朝鮮が反発することは確実で、南北の緊張が一層高まりそうだ。
 合意は文在寅前政権下で、北朝鮮との軍事的緊張の緩和と衝突防止のために結ばれた。非武装地帯(DMZ)内の監視用哨所の撤去、航空機の飛行禁止区域の設定なども定めた。
 北朝鮮は昨年11月に合意の事実上の破棄を宣言し、哨所を復旧するなど違反行為を繰り返してきた。国防省幹部は記者会見で「韓国軍はこれまで、北朝鮮の違反と挑発に耐え、合意を順守してきた」と強調した。 

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