中国、月の裏側で土壌採取=世界初、地球持ち帰りへ 2024年06月04日 09時28分

2日、北京にある管制センターのモニターに映し出された中国の無人探査機「嫦娥6号」の着陸イメージ画像を前に作業する技術者ら(EPA時事)
2日、北京にある管制センターのモニターに映し出された中国の無人探査機「嫦娥6号」の着陸イメージ画像を前に作業する技術者ら(EPA時事)

 【北京時事】中国の無人探査機「嫦娥6号」が4日朝(日本時間同)、月の裏側で土壌試料の採取を終え、月面を離陸した。月の周回軌道で待機する機体と合体後、今月下旬に地球へ帰還する。月の裏側の土壌を持ち帰ることに成功すれば、世界初となる。
 嫦娥6号は2日朝、月の裏側の「南極エイトケン盆地」に着陸。2日間の滞在中、ドリルなどを使って月の砂や岩石を集めた。南極域には、水が氷の状態で存在するとされるほか、核融合発電の燃料となるヘリウム3が大量にあるといわれる。
 嫦娥6号はフランスや欧州宇宙機関(ESA)などの機器も搭載しており、中国国営中央テレビは「正常に作業が進んだ」と評価した。中国には、宇宙開発を巡る中国脅威論を和らげるため、国際協力をアピールする狙いがあるとみられる。 

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