ラファから63万人退避=米長官、市民保護「不可欠」―国連機関 2024年05月17日 14時31分

パレスチナ自治区ガザ南部マワシ地区に並ぶ避難民のテント=9日(AFP時事)
パレスチナ自治区ガザ南部マワシ地区に並ぶ避難民のテント=9日(AFP時事)

 【カイロ時事】国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は17日、イスラエルが今月に入り、イスラム組織ハマスの「最後の拠点」とされるパレスチナ自治区ガザ最南部ラファで限定的な地上作戦を始めて以降、63万人以上がラファから脱出したと明らかにした。多くはガザ中部デイルバラやイスラエルが「人道地域」に定めた地中海沿いのマワシ地区に逃れているとみられる。
 UNRWAは「悲惨な状況下で、耐え難いほど密集している」と人道危機のさらなる悪化に懸念を示した。オースティン米国防長官も16日に行ったイスラエルのガラント国防相との電話会談で、ラファでの作戦では、民間人の保護策の徹底が不可欠であることに「議論の余地はない」と強調した。
 ガラント氏はこれより先、ラファ侵攻に関し「より多くの部隊を投入する」と述べ、地上戦を強化する考えを示していた。ネタニヤフ首相も16日、「(ラファは)極めて重要で、多くの物事を決定付ける戦闘になる」と主張した。実際に大規模作戦に踏み切れば、民間人の犠牲の増加は避けられず、国際社会の批判が高まるのは必至だ。 

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