富裕層へ課税強化=子育て支援拡大も―米大統領 2024年03月07日 19時03分

バイデン米大統領=5日、ワシントン(EPA時事)
バイデン米大統領=5日、ワシントン(EPA時事)

 【ワシントン時事】バイデン米大統領は7日行う一般教書演説で、富裕層への課税強化や、子育て支援拡大などを発表する。公平な税制を掲げ、勤労世帯の支援を改めて打ち出す。11月の大統領選を控え、共和党の候補指名を確実にしたトランプ前大統領への対抗姿勢を鮮明にする。
 ホワイトハウスによると、保有資産1億ドル(約150億円)以上の富裕層について、所得に最低25%の課税を行う。富裕層の実質的な平均所得税率は現在、「抜け穴」活用による課税逃れや優遇措置でわずか8%にとどまっているという。
 大企業に対しても、2022年成立のインフレ抑制法で導入された15%の最低法人税率を21%に引き上げるなど、課税強化を図る。トランプ氏と共和党は富裕層や大企業に有利な減税を志向しており、17年には大型減税を成立させた。これに対し、バイデン氏は富裕層への「応分の負担」を訴える方針だ。
 バイデン氏は一方で、児童税額控除の拡大など勤労世帯の負担軽減を目指す。低・中間所得層3900万世帯の税額控除を、平均2600ドルに引き上げる。
 バイデン政権はコロナ禍の経済対策の一環として児童税額控除を月300ドルに引き上げたが、その後打ち切られた。税額控除拡大は子供の貧困率低下に一定の効果があり、これを復活させる。
 ホワイトハウスのブレイナード国家経済会議(NEC)委員長は「児童税額控除の復活で、バイデン氏は勤労世帯と中間層を対象とする税負担軽減に向け闘う」と強調した。 

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