モルディブ、中国と「軍事援助」協定=インド軍撤収見据え、傾斜加速 2024年03月05日 17時39分

モルディブのムイズ大統領=2月13日、ドバイ(AFP時事)
モルディブのムイズ大統領=2月13日、ドバイ(AFP時事)

 【ニューデリー時事】モルディブ国防省は4日、中国と軍事援助に関する協定を結んだと発表した。駐留するインド軍部隊の撤収後を見据えた動きとみられる。「親中派」とされるムイズ大統領の下、中国への傾斜が加速している。
 モルディブ国防省はX(旧ツイッター)で「中国がモルディブに無償で軍事援助を提供する協定に(両国の国防当局者が)調印し、2国間関係を強化した」と投稿した。内容の詳細は明らかにしていない。
 モルディブはアジアと中東などを結ぶシーレーン(海上交通路)の要衝にあり、印中両国が浸透を競ってきた。インド洋を自国の「裏庭」と位置付けるインドは中国の影響力拡大を警戒している。
 モルディブにはこれまで、近海の監視や救急搬送用の航空機運用などを担う80人超のインド兵が駐留していた。しかし、昨年11月に就任したムイズ氏はインド軍部隊を撤収させると明言。当初、撤収期限は3月15日としていたが、その後両国の協議を経て5月10日となった。
 2月にはインド側が「スパイ船」と警戒する中国の調査船がモルディブに寄港。モルディブ外務省は「乗組員交代と補給のため」と説明し、「モルディブ海域でいかなる調査も行わない」としていた。 

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