原告「民主主義守り続ける」=トランプ氏出馬資格訴訟―米 2024年03月05日 15時33分

自宅で取材に応じるノーマ・アンダーソンさん=2日、米コロラド州レイクウッド
自宅で取材に応じるノーマ・アンダーソンさん=2日、米コロラド州レイクウッド

 【デンバー(米コロラド州)時事】米連邦最高裁は4日、西部コロラド州最高裁の判決を覆し、トランプ前大統領の同州での大統領選出馬資格を一転して認めた。トランプ氏と同じ共和党員で、訴訟の原告団長を務めたノーマ・アンダーソンさん(91)は最高裁判断を控えた2日、時事通信の取材に応じ、「民主主義を守るために取り組み続ける」と誓っていた。
 アンダーソンさんは共和党員の両親の下に生まれ、自身も党員として19年間、コロラド州議会議員として活動。「私には14人の孫、2人のひ孫がいる。彼らに私が享受してきた民主主義を残したい」との思いから訴訟を起こした。
 アンダーソンさんは2021年の連邦議会襲撃事件だけでなく、議会の反対を無視した国境の壁建設や、北大西洋条約機構(NATO)を軽視するトランプ氏の孤立主義は「憲法や条約に違反している」と強調。「トランプ氏のやること全てが民主主義を危険にさらしている。そんな彼に大統領になる資格はない」と訴えた。
 トランプ氏が大統領に返り咲けば「同じことを繰り返す」とも主張。メールや手紙でトランプ氏に投票しないよう呼び掛けるなど「民主主義を守るために(訴訟とは)別の方法を見つける」と語った。
 2日の時点で最高裁が出馬資格を認めるという見方は広まっており、アンダーソンさんは結果を「受け入れる」と表明。「(20年大統領選の)結果を認めないトランプ氏とは違う」と力を込めた。

 
 ◇ノーマ・アンダーソン氏略歴
 ノーマ・アンダーソン氏 32年7月、米中西部オハイオ州生まれ。87〜99年コロラド州下院議員、99〜06年同上院議員。コロラド州の女性議員で初めて上下両院の多数派院内総務を務めた。 

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