パキスタン総選挙、野党系無所属が健闘か=公表に遅れ、テロ相次ぐ 2024年02月09日 12時23分

8日、パキスタン東部ラホールで投票後、支持者に手を振るシャリフ元首相(AFP時事)
8日、パキスタン東部ラホールで投票後、支持者に手を振るシャリフ元首相(AFP時事)

 【イスラマバード時事】パキスタンで8日投票が行われた国民議会(下院、定数336)選挙は9日、開票作業が続いた。選挙前は与党イスラム教徒連盟シャリフ派(PML―N)が優勢とみられていたが、複数の地元メディアは、最大野党パキスタン正義運動(PTI)の支持を受けた無所属候補が健闘していると伝えた。
 結果の公表は遅れており、選挙管理委員会は「電話やインターネットが遮断されたため」と理由を説明。ただ、与党側が結果を不正に操作しているのではないかという懸念が広がっている。内務省は8日、「治安上の脅威」を理由に携帯電話の通信を全土で制限する措置を取っていた。
 PTIは選挙のシンボルマーク使用やテレビのニュース番組で党の名称に言及することを禁じられるなど、与党側からの圧力にさらされた。国民的人気の高い設立者のカーン元首相は昨年8月に汚職の罪で収監され、出馬できなかった。支持者からは「不公正」との声も上がった。
 8日は主に南西部バルチスタン州や北西部カイバル・パクトゥンクワ州で、武装集団による警察車両の襲撃など選挙妨害とみられるテロが相次いだ。軍統合広報局によれば、テロは全土で51件発生し、治安要員ら12人が死亡した。 

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