ヤクルト、中国法人で800人削減=従業員の2割、販売不振で 2024年02月07日 21時59分

Newヤクルト(ヤクルト本社提供)
Newヤクルト(ヤクルト本社提供)

 【北京時事】ヤクルト本社が中国最大の現地法人「中国ヤクルト」(上海市)の従業員を約800人削減したことが7日、分かった。販売不振などに伴う措置で、全従業員の約2割に相当する。中国では景気が悪化。東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出が始まった昨年8月以降、日本産品の購入を控える動きが広がっており、経営判断に影響した可能性もある。
 関係者によると、中国ヤクルトは、北部天津市の工場などで昨年、一部従業員との雇用契約を終了。ヤクルト本社によると、2023年末の中国ヤクルトの従業員は約3400人と、前年末の約4200人から減った。生産調整も実施しているもようだ。
 ヤクルト本社は昨年11月の決算発表で、中国事業の不振などを理由に、24年3月期の利益予想を下方修正した。もう一つの現地法人「広州ヤクルト」(広東省広州市)を含め、昨年1〜9月の中国全体の1日当たり販売本数は約528万本と、前年同期比約2割減となっていた。
 中国政府は処理水を「核汚染水」と呼び、日本産品に対する輸入規制を強めてきた。放出が始まった直後には日本産水産物の全面禁輸措置も発動した。
 北京に駐在する日系メーカー幹部は、食品に加え、化粧品などの販売も冷え込んでいると説明。「影響は水産品だけにとどまらない」と打ち明けた。 

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