反戦候補、署名に「不備」=大統領選から排除も―ロシア 2024年02月06日 20時24分

ロシアのナジェジディン元下院議員=1月31日、モスクワ(AFP時事)
ロシアのナジェジディン元下院議員=1月31日、モスクワ(AFP時事)

 ロシアのプーチン大統領の通算5選が確実視される3月の大統領選で、ウクライナ侵攻に反対している独立系のナジェジディン元下院議員の候補者登録に必要な10万人分の署名に関し、中央選管は「15%に不備が見つかった」と指摘した。ナジェジディン氏の陣営幹部が5日、通信アプリで明らかにした。
 法律上、許容される不備は5%以内と定められている。プーチン氏が集めた署名の不備はわずか「0.15%」。政権に不都合な候補が恣意(しい)的に排除されるという懸念は強い。
 ナジェジディン氏は、署名を20万人分以上集めており、不備を修正する方針。政権の影響下にある中央選管が仮に自身の出馬を認めなかった場合、最高裁に訴える考えを示している。
 中央選管幹部は2日の時点で、ナジェジディン氏が提出した署名から「驚くべき不備」が発見されたと説明していた。中央選管は7日に候補者登録の可否を発表する予定だが、同氏は10日までの延期を6日付書面で要請した。陣営幹部は「これから夜も眠れない」と述べ、日に日に悲観論が強まっている。
 こうした中、独立系メディア「ノーバヤ・ガゼータ・ヨーロッパ」は5日、ナジェジディン氏を公認候補とした政党「市民イニシアチブ」の関係者が、提出前に「2万人分の偽造署名」を混入させた疑いがあると伝えた。報道について、同党側は「真っ赤なうそだ」と否定している。 

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