台湾議長に親中派韓氏=頼次期政権に試練―第3党取り込み失敗 2024年02月01日 15時19分

1日、台北の台湾立法院(国会)に到着した韓国瑜氏(手前)(AFP時事)
1日、台北の台湾立法院(国会)に到着した韓国瑜氏(手前)(AFP時事)

 【台北時事】台湾立法院(国会、定数113)は1日、立法院長(国会議長)に最大野党・国民党の親中派、韓国瑜・前高雄市長を選出した。1月13日に総統選と同時実施された立法委員(国会議員)選では、民進党が少数与党に転落し、国民党に第1党の座を明け渡した。院長ポストも譲ったことで、5月に就任する民進党の頼清徳次期総統が厳しい政権運営を迫られることは必至だ。
 院長選で、民進党は游錫※(※方の横並びの下に土)立法院長、第3党の民衆党は黄珊珊・元台北市副市長をそれぞれ候補として推薦。3党はいずれも院長ポストの獲得に必要な過半数の議席を持たないため、上位の韓、游両氏による決選投票にもつれ込んだ。決選投票ではキャスチングボートを握る民衆党の8議員が棄権したため、国民党の韓氏が54票で当選。51票だった游氏は選挙結果を受けて声明を出し、立法委員を辞職すると表明した。
 韓氏は対中融和を唱える国民党の中でも特に中国寄りとして知られる。民進党関係者は「韓氏が立法院長になれば、頼氏の執政を事あるごとに妨害する可能性が高い」と警戒していた。中国と距離を置く民進党は国民党に対抗し、民衆党の票を狙った多数派工作を試みたが、失敗に終わった。 

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