ガザ攻撃で日本支援施設破壊=イスラエルを批判―東大教授 2024年01月31日 18時59分

パレスチナ自治区ガザ北部の学校(×印)の校庭に落とされた爆弾の被害想定範囲(写真上)と、周辺に落ちた爆弾の被害想定範囲=2023年12月6日(〔C〕Planet Labs. 分析 渡辺英徳研究室)
パレスチナ自治区ガザ北部の学校(×印)の校庭に落とされた爆弾の被害想定範囲(写真上)と、周辺に落ちた爆弾の被害想定範囲=2023年12月6日(〔C〕Planet Labs. 分析 渡辺英徳研究室)

 東京大学大学院の渡辺英徳教授(情報デザイン)は31日、日本政府の支援でパレスチナ自治区ガザに建設された施設がイスラエル軍の攻撃によって損傷したと指摘した。オンラインで記者会見した渡辺教授は「日本の支援によってできた生活の場が破壊されている」と語った。
 渡辺教授は昨年10〜12月に撮影されたガザの衛星写真を調べた。この結果、日本が支援して建設された南部ハンユニスの廃水処理場など3施設が破壊されたことを確認。ガザ北部の学校では、校庭に落とされた半径約40メートルの範囲に被害を及ぼす爆弾によって、校舎に被害が出たとみられるという。学校付近にも強力な爆弾が投下された。渡辺教授は「あまりにも広範囲に、非軍事目標が攻撃されている」と述べた。
 イスラエルは、昨年10月にイスラム組織ハマスの大規模な攻撃を受け、ハマスの壊滅を目標に掲げている。渡辺教授は、イスラエル軍による民間施設の破壊は「長期的に生活の根幹を揺るがす」と分析。「(ハマスに対する反撃という)大義名分と実態の乖離(かいり)が激しい」と強調し、イスラエルの対応を批判した。 

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