砲弾数、ロシアの4分の1=ウクライナ高官「深刻な不足」 2024年01月31日 14時27分

時事通信の取材に応じるウクライナのポドリャク大統領府顧問=1月26日、キーウ
時事通信の取材に応じるウクライナのポドリャク大統領府顧問=1月26日、キーウ

 【キーウ時事】ウクライナのポドリャク大統領府顧問は31日までに、ウクライナ軍の1日当たりの砲弾使用数について、東部戦線で攻勢を強めるロシア軍の4分の1程度だとの分析を明らかにした。ロシアが北朝鮮から大量の砲弾提供を受けたのに対し、ウクライナは西側諸国による支援の遅れが「深刻な砲弾不足」につながっているという。首都キーウ(キエフ)で時事通信の単独インタビューに応じた。
 ポドリャク氏によると、ロシア軍の砲弾使用数はピーク時で1日当たり3万5000〜5万発だったが、侵攻が長引くにつれ同3000〜5000発に減少。最近、再び同8000〜1万2000発に増加した。
 一方、ウクライナ軍の現在の砲弾使用数は同2000〜3000発で、「物量で圧倒されている」という。実際、ロシア軍はウクライナ東部ドネツク州アウディイウカやその周辺に戦力を集中させ、徐々にウクライナ軍を押し込んでいる。
 ポドリャク氏は、北朝鮮がロシアに砲弾100万発以上や地雷、弾道ミサイルを提供したとし、「北朝鮮の武器供与はロシアを大いに助けている」との見方を示した。その上で「ロシアと北朝鮮、イランによるテロ国家連合は、明らかに武器や軍事技術を融通し合うという合意を結んでいる」と指摘。北朝鮮に武器提供を求めたのは、ロシアの軍需産業が逼迫(ひっぱく)している証拠だとも語った。
 また、ウクライナ軍が砲弾不足を補うには、ロシアの後方補給拠点を爆撃できる長距離ミサイルと、ロシアの航空優勢を覆す戦闘機、砲弾の代わりに対戦車攻撃に使えるドローンが必要だと強調。「ロシアを打倒しない限り、北朝鮮やイランは攻撃的行動をエスカレートさせ、紛争が世界各地に飛び火する」として、西側諸国に迅速な対ウクライナ支援を求めた。 

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