ロシア崩壊「10年以内」=北朝鮮が支援でも攻勢維持困難―ウクライナ高官 2024年01月29日 14時09分

26日、キーウで取材に応じるウクライナのダニロフ国家安全保障・国防会議書記(同会議事務局提供・時事)
26日、キーウで取材に応じるウクライナのダニロフ国家安全保障・国防会議書記(同会議事務局提供・時事)

 【キーウ時事】ウクライナのダニロフ国家安全保障・国防会議書記は29日までに、ロシアがウクライナに侵攻したことで国家崩壊に向けて歩み始めたと指摘し、「ロシアは10年以内に崩壊する。西側諸国はそれに備えるべきだ」と訴えた。首都キーウ(キエフ)で時事通信の単独インタビューに応じた。
 ダニロフ氏は、ロシアについて「ずうたいは大きいが、脳みそは小さい恐竜だ」と評し、「現代社会で生き残れない」と強調。全面侵攻で莫大(ばくだい)な資金と多くの兵力を失い続けているとして、「ウクライナ軍がロシア崩壊のプロセスを加速させている」との見方を示した。
 北朝鮮から砲弾100万発以上の提供を受けたとされるロシア軍は、圧倒的な物量に物を言わせ、ウクライナ東部ドネツク州アウディイウカやその周辺で徐々に前進している。ミサイルやイラン製の自爆型ドローン「シャヘド」などを使った全土への空爆も激化させている。
 ダニロフ氏は「ロシアは他の専制国家から武器を提供されて戦力を強化したが、それは一時的なものにすぎない」と主張。「1平方メートルのウクライナ領を侵略するたびに、多大な犠牲を払っている」と述べ、攻勢を長期間維持するのは困難だと予想した。
 その上で「これは過去の戦争とはまったく異なり、技術が勝敗を左右する」と説明。人工知能(AI)や無人兵器などの先端技術をいち早く確立させた国が優位に立つと述べ、技術開発に全力を挙げる考えを示した。
 ダニロフ氏は、ゼレンスキー大統領が議長を務め、国防相ら主要閣僚が参加する国家安全保障・国防会議を統括している。 

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