ハマス奇襲に国連機関職員関与か=イスラエルの情報提供で解雇―各国に資金停止の動き 2024年01月27日 14時40分

イスラエルのエルダン国連大使=26日、ニューヨーク(AFP時事)
イスラエルのエルダン国連大使=26日、ニューヨーク(AFP時事)

 【カイロ時事】民間人ら約1200人が殺害された昨年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲に、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の複数の職員が関与した疑いが26日、明らかになった。UNRWAはイスラエルの情報提供に基づき調査を開始したと発表。対象の職員は解雇されたという。事実であれば国連機関の信頼が傷つき、活動に支障が出る恐れもある。
 米国務省によると、職員12人が関与した可能性がある。同省は詳細が明らかになり、国連側が適切に対応するまでUNRWAへの新たな資金拠出を停止すると発表した。オーストラリアのウォン外相とカナダのフッセン国際開発相もそれぞれX(旧ツイッター)で、資金拠出を一時停止すると明らかにした。報道によると、英国やフィンランドも同様の措置を決め、拠出停止の動きが広がっている。
 AFP通信によれば、イスラエルのエルダン国連大使は「『UNRWA職員はハマスの協力者』との長年の訴えが証明された」と主張。イスラエル外務省は「早急に捜査されることを期待する」と表明した。カッツ外相は、ガザでの「戦後」に「UNRWAは含まれない」とXに投稿。活動停止に向け国際社会の支持獲得に努める考えを明らかにした。
 一方、UNRWAのラザリニ事務局長は声明で「テロ行為に加担した職員は、刑事訴追を含む責任を問われる」と指摘。グテレス国連事務総長も「極めて深刻な疑惑」だとの認識を示した。 

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