プラボウォ国防相、急上昇=ジョコ氏の「支持」影響か―2月14日のインドネシア大統領選 2024年01月25日 14時20分

インドネシア大統領選の第1回討論会で持論を展開するプラボウォ国防相=2023年12月、ジャカルタ
インドネシア大統領選の第1回討論会で持論を展開するプラボウォ国防相=2023年12月、ジャカルタ

 【ジャカルタ時事】2月14日投開票のインドネシア大統領選まで3週間を切った。昨春までは、ジョコ大統領も所属する最大与党「闘争民主党」のガンジャル前中ジャワ州知事(55)が優勢だったが、年末あたりからプラボウォ国防相(72)=グリンドラ党党首=の支持率が急上昇し、トップを維持している。両候補が掲げるのは、今も人気があるジョコ氏の路線継承。支持率逆転は、ジョコ氏の動きが関係しているとみられている。
 5年に1度の大統領選には、アニス前ジャカルタ特別州知事(54)=無所属=も含め計3人が立候補。2月の投票で過半数を得るなどの条件を満たす候補がいなければ、6月に上位2候補による決選投票が実施される。
 焦点はプラボウォ氏が第1回投票で勝負を決めることができるかだ。各種世論調査で長らくガンジャル氏とトップ争いを続けてきたプラボウォ氏の支持率は昨年12月以降、軒並み40%台となり、今月中旬には50%を超える結果も示された。
 20%台の他候補2人を大きく引き離す現状について、インドネシアの多くの記者は「正式表明はしていないものの、ジョコ氏の『支持』が大きく影響している」と指摘する。ジョコ氏の支持団体がプラボウォ氏支持を打ち出し、プラボウォ氏の副大統領候補にジョコ氏の長男で、中ジャワ州ソロ(スラカルタ)市長のギブラン氏(36)が選ばれたのも昨秋だ。
 今回の大統領選は、闘争民主党党首でスカルノ初代大統領の長女でもあるメガワティ元大統領(77)と、同党に反旗を翻したジョコ氏との一族の存続を懸けた闘いとも言える。決選投票となった場合、ジョコ氏「支持」の恩恵を受けるプラボウォ氏の優位が崩れるとの予想もある。
 インドネシア人のある記者は「報道関係者の間では、(世論調査で最近2位が多い)アニス氏有利との見方が多い」と明かす。第1回投票でガンジャル氏が敗退した場合、決選投票では闘争民主党支持者の票がアニス氏に流れるとみるからだ。アニス氏は「反ジョコ路線」を掲げている。政策的に一致しなくても一族の争いが優先されることで、漁夫の利がもたらされる可能性もある。 

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