北朝鮮提供ミサイル、ロシア製並み=米分析、ウクライナが試験場に―報道 2024年01月24日 19時44分

ウクライナへの攻撃に使用されたミサイルの残骸を調べる検察の係官=6日、ハリコフ(AFP時事)
ウクライナへの攻撃に使用されたミサイルの残骸を調べる検察の係官=6日、ハリコフ(AFP時事)

 【ベルリン時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は22日、ロシアがウクライナ攻撃に使用した北朝鮮提供のミサイルについて、米当局が「ロシア製と同等の精密さがある」と分析していると報じた。新型ミサイルとみられ、北朝鮮にとっては、ロシアに使用させることで、西側諸国の防空システムに対抗できるか試験する機会になっている。
 ロシアは昨夏以降、北朝鮮からの弾薬調達を活発化させており、取引規模は100万発に及ぶとされる。報道によると、これまでに供与された新型のミサイルは50発未満とみられるが、今後増えると想定されている。
 米欧諸国によるウクライナ支援の継続性が危ぶまれる中、ロシアを支える北朝鮮の存在が際立ち始めている。ニューヨーク・タイムズは、西側当局者の間で、北朝鮮の支援が拡大すれば、ウクライナの防空が一段と困難になるとの危機感が出ていると伝えた。
 ウクライナのクレバ外相は23日付のドイツ紙ビルトとのインタビューで、「ばからしい話だが、ロシアにとっての北朝鮮は、弾薬の提供者として、ウクライナの友人よりも効果的なパートナーだ。これは変えなければならない」と訴えた。
 北朝鮮製のミサイルについて、ウクライナ当局は年末年始にかけての大規模な攻撃の中で使用されたと断定。日米欧は北朝鮮のロシアへの武器供与に批判を強めている。 

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