〔米株式〕NYダウ続伸、119ドル高=ナスダックは安い(1日午前) 2025年07月01日 23時29分

 【ニューヨーク時事】1日午前のニューヨーク株式市場は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による年内の利下げ開始を示唆する発言や市場予想を上回る経済指標を受けて買いが強まり、続伸している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時10分現在、前日終値比119.74ドル高の4万4214.51ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は66.98ポイント安の2万0302.75。ナスダックは前日まで連日で史上最高値を更新して引け、利益確定の売りが優勢となっている。
 パウエルFRB議長は1日、ポルトガル・シントラで開催された欧州中央銀行(ECB)主催の会合で、連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの大半が「年内の利下げ開始が適切」との認識であることを明らかにした。FRBの年内利下げへの方向性が再確認されたことで、買い安心感が広がった。米サプライ管理協会(ISM)が1日発表した6月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)は49.0と、市場予想(ロイター通信調べ)の48.8を上回ったことも投資家心理の改善につながった。
 一方、米上院は1日、トランプ米大統領が目玉政策に掲げる大型減税を盛り込んだ法案の審議を続けた。トランプ氏と共和党幹部は4日の米独立記念日まで議会通過を目指しているものの、共和党内での意見の相違に加えて野党民主党からの反発もあり、手続きが遅れている。審議の進展を見極めたいとの見方から相場の上値は重い。
 個別銘柄では、アップル、ナイキ、ユナイテッドヘルス・グループなどが上昇。一方で、エヌビディアやビザ、ウォルト・ディズニーが下げている。ダウ構成銘柄以外ではテスラが下落。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がトランプ氏の大型減税関連法案を再び批判。トランプ氏がマスク氏の手掛ける事業に対し、政府補助金を打ち切る可能性を示唆した。

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