与党リード維持、野党苦戦=カナダ総選挙28日投開票 2025年04月26日 14時39分

【ニューヨーク時事】カナダ下院(定数343)総選挙が28日、投開票される。トランプ米政権への対抗姿勢を鮮明にする与党・自由党が世論調査でリードを維持。最大野党・保守党が追い上げるが、大票田のオンタリオ州で支持拡大に苦戦し、2015年以来の政権交代は厳しいとの見方が優勢だ。
公共放送CBCがまとめた各種世論調査の平均支持率では、自由党が今月中旬以降わずかに失速。一方、保守党は持ち直し、最大約7ポイントあった支持率の差は、25日時点で3.7ポイントまで縮小した。
ただ、保守党の支持者は議席配分の少ない中部サスカチワンや西部アルバータ両州に集中。議席の多い都市部で支持を固めきれておらず、CBCは、保守党が99~163議席の獲得にとどまる半面、自由党は144~221議席と予想。70%超の確率で過半数を確保すると伝えている。
自由党は第2次トルドー政権が発足した19年以降、少数与党の状態が続く。過半数となれば政権運営が安定し、高関税や米国への併合案で圧力をかけるトランプ大統領への対応が円滑に行えるとの期待がある。
自由党のカーニー首相(60)は25日、米国が25%の関税を課した鉄鋼の工場を訪問。記者会見で「トランプ氏の攻撃対象となっている労働者一人ひとりと共にある」と述べ、強い指導者像をアピールした。
保守党のポワリエーブル党首(45)も同日の記者会見で、総選挙で勝利した場合には「(首相就任)初日にトランプ氏に電話し、関税は破壊的で撤回すべきだと伝える」と強調。自らの公約の柱に据える所得税の大幅減税も訴え、巻き返しを図った。
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