マスク氏、英右派政党に巨額献金?=「外国の干渉」懸念も 2024年12月21日 05時48分
【ロンドン時事】米実業家イーロン・マスク氏が、今夏の英総選挙で躍進した右派ポピュリスト政党「リフォームUK」に巨額献金を行うという見方が強まっている。世界一の富豪からの政治献金は英史上最高額に達する見込みとされ、「外国人による内政干渉」につながりかねないとの指摘が出ている。
英メディアの報道によると、同党のファラージ党首は16日、米南部フロリダ州にあるトランプ次期米大統領の私邸でマスク氏と会談。ファラージ氏は「金について話した。交渉中だ」とし、マスク氏が献金提供を「真剣に検討している」と述べた。会談には同党の財政責任者も同席した。
献金額については1億ドル(約156億円)規模だという臆測が流れている。マスク氏は南アフリカ出身で、米国とカナダの国籍を持つ。英国では外国人による政治献金は禁止されているが、マスク氏が率いるX(旧ツイッター)の英国法人を通じて提供すれば違法にはならないという。
トランプ次期米政権で、歳出削減を目指す新組織「政府効率化省」のトップを務める予定のマスク氏は、8月に英国で極右の暴動が起きた際、「内戦は不可避」とXに投稿。これに首相報道官が反発するなど、労働党政権とマスク氏の関係は良好と言い難い。一方、英国の欧州連合(EU)離脱を推進したファラージ氏はトランプ氏の友人で、マスク氏にも急接近している。
マスク氏の献金を巡り、英政界からは懸念の声が上がる。スカイニューズによると、最大野党・保守党の有力者は「他国の政党を買収しようとするのは尋常ではない」とマスク氏を批判。ファラージ氏が献金を受け入れれば「外国の操り人形になる」と警告した。