イラン大統領選、改革派に勢い=7月の決選投票入り濃厚 2024年06月28日 14時28分

25日、イランの首都テヘランで、同国大統領選の候補者テレビ討論会に出席するペゼシュキアン元保健相(国営イラン放送が公表)(EPA時事)
25日、イランの首都テヘランで、同国大統領選の候補者テレビ討論会に出席するペゼシュキアン元保健相(国営イラン放送が公表)(EPA時事)

 【テヘラン時事】イランで28日、大統領選が行われた。中ロに接近して欧米と対立する保守強硬派に、西側諸国との融和を掲げる改革派が挑む構図とされてきたが、最新の情勢調査では改革派が勢いを増している。選挙結果はイランの外交に影響を及ぼし、中東情勢や国際社会との関係も左右しそうだ。
 選挙は、保守強硬派のライシ大統領が5月にヘリコプター墜落で死亡したことを受けて実施。大勢判明まで数日かかる見通しで、いずれの候補も過半数を得られず、7月5日に上位2候補による決選投票が行われる公算が大きい。
 最新の調査結果によると、改革派から唯一立候補を認められたペゼシュキアン元保健相(69)が支持率3割超で首位。強硬派のジャリリ元最高安全保障委員会事務局長(58)とガリバフ国会議長(62)が続く。出馬した6人のうち強硬派2人が撤退。支持分散を防ぎ、改革派の躍進を阻むことを狙ったとみられる。
 ペゼシュキアン氏は「国内で分断をあおり、外交で緊張を招く道」と「国内で結束し、外国との緊張緩和を模索する道」の争いだと主張。「勝利まであと一歩だ」と、決選投票進出に手応えを示している。
 今回の選挙では投票率も注目点だ。ライシ師の圧勝が事前に予想された前回大統領選は48.8%にとどまり、1979年のイスラム革命以降で最低を記録。投票率が低ければ、岩盤支持層を持つ強硬派が優位とされる。逆に、最近の選挙をボイコットしてきた保守穏健・改革派の支持者が棄権せず投票率が上昇すれば、ペゼシュキアン氏への追い風になるとの見方もある。 

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