〔NY外為〕円、143円台半ば(4日朝) 2025年06月04日 22時12分
【ニューヨーク時事】4日午前のニューヨーク外国為替市場では、米雇用関連指標が市場予想を大きく下回ったことで円買い・ドル売りが先行し、円相場は1ドル=143円台半ばに上昇している。午前9時現在は143円50~60銭と、前日午後5時(143円91銭~144円01銭)比41銭の円高・ドル安。
海外市場の流れを引き継ぎ、ニューヨーク市場は円安・ドル高地合いで取引を開始。ただ、その後に米民間雇用サービス会社ADPが発表した5月の全米雇用報告によると、非農業部門の民間就業者数(季節調整済み)は、前月比3万7000人増と、市場予想(11万人増=ロイター通信調べ)を大きく下回った。労働市場の軟化を示唆する内容となったことで、発表後に米長期金利の指標である10年債利回りが急低下。日米金利差の観点から、円を買ってドルを売る動きが一気に強まった。
トランプ米政権は4日、鉄鋼・アルミニウムへの追加関税を50%に設定。従来の25%から2倍に引き上げた。同措置が経済に及ぼす影響に警戒感が高まる中、ドルが売られやすい面もある。
一方、ロイター通信は関係筋の話として、日銀が来年度以降、国債買い入れの縮小(テーパリング)のペース減速を検討していると報じた。
市場参加者は、米サプライ管理協会(ISM)がこの日午前発表する5月のサービス業購買担当者景況指数(PMI)にも注目している。
ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1410~1420ドル(前日午後5時は1.1366~1376ドル)、対円では同163円70~80銭(同163円68~78銭)と、02銭の円安・ユーロ高。