〔NY石油〕WTI続伸、71.24ドル=2週間ぶり高値(22日) 2024年11月23日 06時01分
【ニューヨーク時事】週末22日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ウクライナ情勢の緊迫化を背景とした買いが膨らみ、続伸した。米国産標準油種WTI1月物は前日清算値(終値に相当)比1.14ドル(1.63%)高の1バレル=71.24ドルと、中心限月の清算値ベースで11月上旬以来約2週間ぶりの高値となった。2月物は1.00ドル高の70.77ドル。
ロシアのプーチン大統領は22日、新型の極超音速中距離弾道ミサイル「オレシニク」の戦闘におけるテストを継続すると表明した。バイデン米政権がウクライナに供与した長距離兵器によるロシア本土攻撃を容認し、西部2州に19日以降、米英のミサイルが撃ち込まれた。プーチン氏は21日、この対抗措置としてウクライナ東部ドニプロに向けた攻撃にオレシニクを初めて使用したと発表。「地域紛争(侵攻)は世界的な性質を帯びた」と警告していた。地政学的緊張が高まる中、ロシア産原油の供給混乱への警戒感が広がり、原油買いが加速した。
相場はこの日午前、ほぼ一本調子で71ドル台まで上伸。いったん利益確定の売りが出る場面もあったが旺盛な押し目買いが入り、騰勢を維持した。週末要因の買いも寄与した。
中国商務省が21日、対外貿易の促進を目的とした一連の政策措置を発表したこともなお支援要因となったもよう。輸出企業に対する資金調達支援強化や農産物の輸出拡大を目指すほか、エネルギー製品の輸入を支援するという。
需給面では、主要産油国の生産方針が目先の注目材料。ロイター通信が関係者の話として伝えたところによると、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は12月1日開催の閣僚会合で自主減産の縮小を再び先送りする見通しという。
▽ガソリン=5日続伸。中心限月12月物の清算値は0.20セント高の1ガロン=206.14セント。
▽ヒーティングオイル=小幅続伸。12月物の清算値は0.05セント高の1ガロン=227.49セントだった。